Eagles
- 結成
- 1971年
- 出身
- ロサンゼルス, カリフォルニア
Eagles(イーグルス)は1971年にロサンゼルスで結成された。結成時のメンバーはGlenn Frey(グレン・フライ)、Don Henley(ドン・ヘンリー)、Bernie Leadon(バーニー・レドン)、Randy Meisner(ランディ・マイズナー)の4人。Linda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)のバックを務めた経験を持ち寄り、4人全員が歌えるカントリーロック・バンドとして始まった。
その後、Don Felder(ドン・フェルダー)、Joe Walsh(ジョー・ウォルシュ)、Timothy B. Schmit(ティモシー・B・シュミット)が順に加わり、音はカントリー中心から二本のリード・ギターを持つロックへ変化した。現在の公演にはHenley、Walsh、SchmitにVince Gill(ヴィンス・ギル)とDeacon Frey(ディーコン・フライ)を加えた5人が立つ。
現在のメンバーは5人
2026年9月現在、公式サイトが公演メンバーとして案内しているのは次の5人である。公式発表ではHenley、Walsh、Schmitを「Eagles」、GillとDeacon Freyを「with」と表記しているため、ここでもその違いを残して整理する。
- Don Henley(ドン・ヘンリー): ボーカル、ドラムス。結成時から在籍する中心人物
- Joe Walsh(ジョー・ウォルシュ): ボーカル、ギター。1975年加入
- Timothy B. Schmit(ティモシー・B・シュミット): ボーカル、ベース。1977年加入
- Vince Gill(ヴィンス・ギル): ボーカル、ギター。2017年から公演に参加
- Deacon Frey(ディーコン・フライ): ボーカル、ギター。Glenn Freyの息子で、2017年から公演に参加
現在の編成は、新作を作るために結成された別の5人組ではない。Glenn Freyが歌った曲をGillとDeacon Freyが分けて受け持ち、Henley、Walsh、SchmitとともにEaglesの楽曲を公演で継承する編成である。
結成時から現在までを4行で整理
- Glenn Frey + Don Henley: 結成から曲作り、選曲、バンド運営の中心となった2人
- Bernie Leadon + Randy Meisner: 初期4人を構成し、カントリー色と高音のハーモニーを支えた2人
- Bernie Leadon → Joe Walsh: カントリー系の多楽器奏者から、エレクトリック・ギターを前面に出す奏者へ交代
- Randy Meisner → Timothy B. Schmit: ベースと高音コーラスの役割を引き継ぎつつ、より滑らかなR&B感覚が加わった交代
Don Felderは誰かの後任ではない。1974年に5人目として加わり、Glenn Frey、Bernie Leadonとは異なる硬いギターを持ち込んだ。その後Joe Walshが加入し、FelderとWalshの二本のリード・ギターが『Hotel California』の核になった。
結成時のメンバー4人はどう集まったか
Glenn Frey(グレン・フライ)
デトロイト出身のギタリスト兼シンガー。ロサンゼルスでJ.D. SoutherとLongbranch Pennywhistleを組み、Jackson Browneとも近い環境で曲を書いていた。「Take It Easy」「Tequila Sunrise」「Lyin’ Eyes」「New Kid in Town」などでリードを取り、外へ開く声とメロディを担った。
Don Henley(ドン・ヘンリー)
テキサス出身のドラマー兼シンガー。Shilohで活動した後にロサンゼルスへ移り、Linda Ronstadtの仕事を通じてFreyらと合流した。「Desperado」「Best of My Love」「Hotel California」「The Long Run」などを歌い、内省や社会への視線を持つ言葉を中心に担った。
Bernie Leadon(バーニー・レドン)
Dillard & Clark、Flying Burrito Brothersを経た多楽器奏者。ギターだけでなく、バンジョー、マンドリン、ペダルスチールを使い、初期Eaglesをカントリーロックの系譜へつないだ。『One of These Nights』を最後に脱退した。
Randy Meisner(ランディ・マイズナー)
Pocoの創設メンバーを経て参加したベーシスト。「Take It to the Limit」のリードで知られ、4人の中で最も高い声をコーラスに加えた。『Hotel California』まで在籍し、1977年に脱退した。
Glenn FreyとDon Henleyは何を分担したのか
Glenn FreyとDon Henleyは、単純な「ボーカルとドラマー」の関係ではない。2人とも歌い、曲を書き、バンドの方向を決めた。Freyは曲の構成や親しみやすいメロディ、Henleyは歌詞の焦点とドラマを担うことが多く、『Desperado』から共作チームがバンドの中心になった。
ただし初期作品は2人だけで作られたわけではない。Leadonのカントリー楽器、Meisnerの高音、外部作家Jackson BrowneやJ.D. Southerの曲があって、Eaglesの基本形ができた。FreyとHenleyを中心に見ながら、残る2人の色を聴き分けるのが初期作の面白さである。
1974年: Don Felderが加わる
『On the Border』の制作途中でDon Felderが参加し、そのまま5人目の正式メンバーになった。Felderは「Good Day in Hell」でスライド・ギターを弾き、バンドが求めていた硬いロックの音を具体化した。
Felderは後に「Hotel California」のコード進行とギター・リフの原型を作る。つまりLeadonからWalshへ直接入れ替わっただけではなく、先にFelderが加入してギターの軸を増やし、そこへWalshが加わって二本のリード・ギター体制が完成した。
1975年: Bernie LeadonからJoe Walshへ
Bernie Leadonの脱退後、James Gangやソロ活動で知られたJoe Walshが加入した。2人は同じ「ギター担当」でも役割が違う。Leadonはカントリーとブルーグラスの語彙を持ち、Walshは太いエレクトリック・ギター、即興、ロックンロールの勢いを持ち込んだ。
この交代を境にEaglesからカントリー要素が完全になくなったわけではない。しかし『Hotel California』ではFelderとWalshのギターが前面に出て、バンドの重心が明確にロックへ移った。
1977年: Randy MeisnerからTimothy B. Schmitへ
Randy Meisnerの後任となったTimothy B. Schmitも、以前PocoでMeisnerの後を継いでいた。2人ともベースと高音コーラスを担当するため、役割の引き継ぎは分かりやすい。
ただし歌の個性は異なる。Meisnerの「Take It to the Limit」は限界まで上がる高音が曲の頂点を作る。Schmitの「I Can’t Tell You Why」は音数を抑え、ソウルやR&Bに近い滑らかさを持つ。『The Long Run』を聴くと、この交代による違いが最もよく分かる。
アルバムごとのメンバー構成
- 『Eagles』・『Desperado』: Frey / Henley / Leadon / Meisner
- 『On the Border』: 創設4人にFelderが途中参加し、5人体制へ
- 『One of These Nights』: Frey / Henley / Leadon / Meisner / Felder。Leadon在籍最後
- 『Hotel California』: Frey / Henley / Meisner / Felder / Walsh。Walsh初参加
- 『The Long Run』: Frey / Henley / Felder / Walsh / Schmit。Schmit初参加
- 『Hell Freezes Over』: 『The Long Run』期の5人が1994年に再結集
- 『Long Road Out of Eden』: Felder離脱後のFrey / Henley / Walsh / Schmit
70年代6作を作品順に見るなら、イーグルスの70年代アルバム案内で各編成と音の変化をまとめている。
再結成後とGlenn Frey以後
Eaglesは1980年に活動を止め、1994年に『Hell Freezes Over』で再結成した。再結成時はGlenn Frey、Don Henley、Don Felder、Joe Walsh、Timothy B. Schmitの5人。2001年にFelderが離れ、2007年の『Long Road Out of Eden』は残る4人で制作された。
Glenn Freyが2016年に亡くなった後は、カントリー歌手のVince GillとFreyの息子Deacon Freyが参加した。2人がFreyの代わりに一つの席へ入ったというより、曲ごとにリード・ボーカルとギターを分担し、Don Henley、Joe Walsh、Timothy B. Schmitとともに70年代の楽曲を継承している。
外側から支えた3人
- Linda Ronstadt: 創設4人が同じ現場へ集まるきっかけになった歌手
- Jackson Browne: Freyと「Take It Easy」を共作し、初期ロサンゼルスの曲作りをつないだ
- J.D. Souther: Freyの旧友で、「Best of My Love」「New Kid in Town」「Heartache Tonight」などをEaglesメンバーと共作
Eagles本体とDon Henleyのソロ活動を支えた演奏家の違いは、Don Henley / Eagles周辺のセッションマン人脈で整理している。
どこから聴けば関係が分かるか
最初の4人を知るなら『Eagles』、FreyとHenleyの共作チームなら『Desperado』、Felder加入の効果なら『On the Border』を聴く。LeadonとMeisnerを含む初期の完成形は『One of These Nights』、FelderとWalshのギターは『Hotel California』、Schmit加入後の声は『The Long Run』が分かりやすい。
人物名を先に暗記する必要はない。アルバムを一枚聴き、気になった声や楽器をこのページで確認してから次の作品へ進むと、メンバー交代が単なる年表ではなく音の変化として聞こえてくる。
映画情報: 2026年6月19日日本公開のドキュメンタリー『イミディエイト・ファミリー』にDon Henleyがインタビュー出演。Henleyのソロ作品を支えたDanny Kortchmarらの関係は、映画に登場する西海岸ロック名盤ガイドで紹介している。
参考資料
メンバー
- Glenn Freyボーカル、ギター、キーボード1971–1980, 1994–20161948年11月6日ミシガン州デトロイト生まれ。創設メンバーでフロントマン。「Take It Easy」「Tequila Sunrise」「Lyin' Eyes」「New Kid in Town」「Heartache Tonight」などでリードボーカル。Eagles 結成前は J.D. Souther との Longbranch Pennywhistle で活動。活動休止中はソロで「The Heat Is On」「You Belong to the City」を放った。2016年1月18日、ニューヨークのコロンビア大学アービング医療センターで関節リウマチ・急性潰瘍性大腸炎・肺炎の合併症のため67歳で死去。
- Don Henleyボーカル、ドラムス1971–1980, 1994–1947年7月22日テキサス州ギルマー生まれ。創設メンバーで主要ソングライターの一人。「Witchy Woman」「Desperado」「Best of My Love」「Hotel California」「The Long Run」などでリードボーカル。Eagles 加入前は Kenny Rogers の支援を受けた Shiloh に在籍。ソロでは「Dirty Laundry」「The Boys of Summer」「The End of the Innocence」がヒットし、グラミー賞も複数受賞。
- Bernie Leadonギター、バンジョー、マンドリン1971–19751947年7月19日ミネソタ州ミネアポリス生まれ。創設メンバーで、ギター・バンジョー・マンドリン・ドブロ・ペダルスチールを操る多楽器奏者。「Witchy Woman」を Don Henley と共作するなど初期のカントリーロック路線を支えた。加入前は Dillard & Clark や Flying Burrito Brothers に在籍。脱退後はソロ作『Natural Progressions』(1977) を発表し、Nitty Gritty Dirt Band などとも活動。2013–2015年の History of the Eagles ツアーで一時復帰した。
- Randy Meisnerベース、ボーカル1971–19771946年3月8日ネブラスカ州スコッツブラフ生まれ。創設メンバーでベースとハイハーモニーを担当。共作・リードボーカルの「Take It to the Limit」はバンド初のミリオンセラー・シングルとなった。Eagles 加入前は Poco の創設メンバーで、Rick Nelson の Stone Canyon Band にも参加。脱退後はソロアルバムを発表し Black Tie などでも活動した。2023年7月26日、カリフォルニア州ロサンゼルスにて慢性閉塞性肺疾患(COPD)の合併症により77歳で死去。
- Don Felderギター、ボーカル1974–1980, 1994–20011947年9月21日フロリダ州ゲインズビル生まれ。1974年に5人目のメンバーとして加入し、「Hotel California」の象徴的なギターリフと曲の原型を作った。Eagles 加入前はジャズフュージョン・グループ Flow を経てロサンゼルスでセッション奏者として活動。2001年2月に解雇され、その後の訴訟は2007年に和解。2008年には自伝『Heaven and Hell: My Life in the Eagles』を発表し、現在もソロで活動を続けている。
- Joe Walshギター、ボーカル1975–1980, 1994–1947年11月20日カンザス州ウィチタ生まれ。Bernie Leadon の後任として1975年に加入し、初参加作が『Hotel California』。「Life in the Fast Lane」を Don Henley・Glenn Frey と共作した。加入前は James Gang(「Funk #49」)、続いて自身の Barnstorm を率い、ソロでは「Rocky Mountain Way」「Life's Been Good」がヒット。1998年に Eagles の一員としてロックの殿堂入り。
- Timothy B. Schmitベース、ボーカル1977–1980, 1994–1947年10月30日カリフォルニア州オークランド生まれ。1977年に Randy Meisner の後任として加入。リードボーカル曲「I Can't Tell You Why」(全米8位) や再結成期の「Love Will Keep Us Alive」で知られる。Eagles 加入前は1969年から Poco に在籍し、ここでも Meisner の後任としてベースとハイハーモニーを引き継いだ経緯がある。1998年に Eagles の一員としてロックの殿堂入り。
- Vince Gillギター、ボーカル2017–1957年4月12日オクラホマ州ノーマン生まれ。Pure Prairie League のリードボーカル(1978–1982) を経て1984年からソロ活動を開始し、『When I Call Your Name』『I Still Believe in You』などでカントリー音楽の頂点に立った。グラミー賞を22回受賞しており、男性ソロのカントリー歌手では最多。Glenn Frey 死去後の2017年から Eagles に参加し、Frey の楽曲のリードを分担している。
- Deacon Freyギター、ボーカル2017–2022, 2023–1993年生まれ。Glenn Frey の次男で、父の死去後の2017年に Vince Gill と共に Eagles に加わり、「Take It Easy」「Peaceful Easy Feeling」など父のリード曲を歌い継いだ。2022年にいったん離れ、2023年からツアーへ復帰している。
変遷
- 1971 Linda Ronstadt のバックバンドの一員だった4人が結成
- 1972 デビューアルバム『Eagles』発表
- 1974 Don Felder 加入(5人体制)
- 1975 Bernie Leadon 脱退、Joe Walsh 加入
- 1977 Randy Meisner 脱退、Timothy B. Schmit 加入
- 1980 活動休止
- 1994 再結成、ライブアルバム『Hell Freezes Over』発表
- 2001 Don Felder 解雇
- 2007 28年ぶりのスタジオ作『Long Road Out of Eden』発表
- 2016 Glenn Frey 死去
- 2017 Vince Gill と Deacon Frey が参加し、Glenn Frey のリード曲を分担
- 2023 Deacon Frey がツアーへ復帰。The Long Goodbye ツアーが始まる
Discography
-
Eagles
1972 -
Desperado
1973 -
On the Border
1974 -
One of These Nights
1975 -
Hotel California
1976 -
Their Greatest Hits (1971–1975)
1976 -
The Long Run
1979 -
Hell Freezes Over
1994 -
Long Road Out of Eden
2007
最終更新: