Eaglesの『Their Greatest Hits (1971–1975)』は、1972年のデビュー作から1975年の『One of These Nights』まで、初期4作の代表曲10曲をまとめたベスト盤。1976年2月に発売され、同年末の『Hotel California』より前の時代を一枚で聴ける。
「Take It Easy」「Desperado」「Best of My Love」「Lyin’ Eyes」など、カントリーロックから洗練されたポップ/ロックへ進む流れを短時間でつかめる。初めてEaglesを聴く入口として非常に強い一方、アルバム曲やメンバーごとの個性は省かれるため、次にどのオリジナル盤へ進むかを決めるための案内盤と考えるとよい。
まず押さえたい3点
- 初期4作から代表曲10曲を選んだ、Eagles最初のベスト盤
- RIAAで4,000万枚相当の認定を受けた、米国で最も売れたアルバム
- 『Hotel California』以降の曲は入っておらず、対象は初期Eaglesに限られる
なぜこれほど聴かれたのか
10曲すべてに明確な入口があり、曲調の変化も自然だからだ。「Take It Easy」「Peaceful Easy Feeling」の開放感から始まり、「Desperado」「Tequila Sunrise」の物語性、「Best of My Love」の柔らかなコーラス、「One of These Nights」の夜の感触まで、初期Eaglesの主要な表情が並ぶ。
選曲は年代順ではないが、勢いのある曲とバラード、Glenn Frey、Don Henley、Randy Meisnerのリード曲が交互に置かれている。オリジナル・アルバムを知らなくても一枚として流れがよく、レコードを繰り返し聴く時代のベスト盤として高い完成度を持つ。
4枚のアルバムから何が選ばれたか
- 『Eagles』: 「Take It Easy」「Witchy Woman」「Peaceful Easy Feeling」
- 『Desperado』: 「Desperado」「Tequila Sunrise」
- 『On the Border』: 「Already Gone」「Best of My Love」
- 『One of These Nights』: 「Lyin’ Eyes」「One of These Nights」「Take It to the Limit」
各作品から大きなヒットと現在まで残る代表曲が選ばれている。一方、「Doolin-Dalton」「James Dean」「Journey of the Sorcerer」のように、アルバムの物語やメンバーの個性を伝える曲は入っていない。
代表曲と聴きどころ
Take It Easy
Glenn FreyのリードとBernie Leadonのバンジョーで、初期Eaglesの軽快さを伝える。ベスト盤の冒頭として、バンドの名前と西海岸のイメージを最短で結びつける曲である。
Desperado
Don Henleyが歌うピアノ・バラード。シングルとして発売されなかったが、長く演奏され続けて代表曲になった。ヒット順位だけで選ばれた盤ではないことを示す一曲でもある。
Best of My Love
柔らかなアコースティック・ギターとコーラスを中心にした、Eagles初の全米1位シングル。初期のカントリー色とポップな完成度が最も自然に結びついている。
One of These Nights
R&B寄りのリズムとDon Felderのギター・ソロによって、初期3作とは違う都会的な夜の音を示す。4年間でバンドが変化したことを一曲で確認できる。
Take It to the Limit
Randy Meisnerの高音が頂点を作るバラード。HenleyとFrey以外の歌声も初期Eaglesの成功に欠かせなかったことが分かる。
収録曲
- Take It Easy
- Witchy Woman
- Lyin' Eyes
- Already Gone
- Desperado
- One of These Nights
- Tequila Sunrise
- Take It to the Limit
- Peaceful Easy Feeling
- Best of My Love
一般的な評価
Billboard 200で1位を獲得。RIAAは2026年時点で4,000万枚相当を認定しており、同団体のアルバム認定枚数で首位に立つ。RIAAがプラチナ認定を導入した際、最初にその認定を受けたアルバムとしても知られる。
最初の一枚として十分か
代表曲を知る目的なら十分である。10曲が短くまとまり、初期4作の違いも大まかにつかめる。ただし「Hotel California」「New Kid in Town」「Life in the Fast Lane」「The Long Run」は発売後の曲なので入っていない。後期Eaglesまで一枚で知るベスト盤ではない点には注意したい。
また『Desperado』の物語や、『On the Border』のプロデューサー交代といったアルバム単位の変化は見えにくい。気に入った曲を見つけたら、その曲の収録作へ進むことでベスト盤の先にある魅力が分かる。
次に聴くアルバム
- 「Take It Easy」が好きなら『Eagles』
- 「Desperado」「Tequila Sunrise」が好きなら『Desperado』
- 「Already Gone」「Best of My Love」が好きなら『On the Border』
- 「Lyin’ Eyes」「Take It to the Limit」が好きなら『One of These Nights』
- 後期の代表作へ進むなら『Hotel California』
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参考資料
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