Loggins & Messina
- 結成
- 1971年
- 出身
- ロサンゼルス, カリフォルニア
ロギンス&メッシーナ(Loggins & Messina)は、Kenny LogginsとJim Messinaによるデュオ。最初から二人組として企画されたのではなく、新人Logginsのデビュー作をMessinaがプロデュースしたことから始まった。
MessinaはBuffalo SpringfieldとPocoを経験し、演奏、録音、プロデュースのすべてを担える人物だった。そこへLogginsの歌と作曲が加わり、カントリーロックの演奏力と親しみやすいソフトロックが一つになった。
ロギンス&メッシーナはウエストコースト・ロックなのか
ウエストコースト・ロックの本流に位置づけてよい。理由は活動地域だけではなく、人脈と音の両方が西海岸の流れにつながっているからだ。
Jim MessinaはBuffalo Springfield末期のエンジニア兼メンバーであり、解散後はRichie FurayとPocoを結成した。Pocoで形にしたカントリーロックを、より歌中心の編成へ移した先にロギンス&メッシーナがある。
一方、Kenny Logginsが持ち込んだのは、「Danny’s Song」や「House at Pooh Corner」に表れる素直なメロディと語りかけるような歌だった。二人のハーモニー、アコースティック・ギター、ラテンやジャズも取り込むバンド演奏は、Eaglesとは別の角度から1970年代カリフォルニアの音を示している。
プロデューサーと新人から始まった二人
1970年11月、Columbia Recordsの独立プロデューサーだったMessinaは、契約前のLogginsと会い、自宅で彼の曲を録音した。Messinaは演奏者を集め、デモ制作から契約、レコーディングまでLogginsのデビュー準備を進めた。
Messinaの当初の役割は、経験の浅いLogginsを支えることだった。自分の名前を添えれば、Buffalo SpringfieldやPocoを知る聴き手に新人を紹介できる。その考えからデビュー作は『Kenny Loggins with Jim Messina Sittin’ In』と題された。
一枚限りの共演だったはずが、作品と公演の反響を受けて正式なデュオへ発展した。この経緯を知ると、初期作品でLogginsの曲とMessinaの曲が交互に現れる理由も分かりやすい。
二人の役割と曲の違い
- Kenny Loggins ── 温かいメロディ、日常に近い言葉、伸びやかな高音を担う。「Danny’s Song」「House at Pooh Corner」「A Love Song」などが代表例。
- Jim Messina ── プロデュース、編曲、ギターを軸にバンド全体を組み立てる。「Nobody But You」「Same Old Wine」「Peace of Mind」ではPocoから続くカントリーロックの感覚も聞ける。
二人だけで完結する弾き語りではなく、Al Garth、Jon Clarke、Larry Sims、Merel Breganteらを含むバンドが演奏を担った。ヴァイオリンや管楽器、打楽器まで使いながら、歌の輪郭を失わない。
最初に聴きたい代表曲
- Danny’s Song ── Logginsが兄の誕生した子供のために書いた曲。家族の小さな幸福を歌い、後にAnne Murrayのカバーもヒットした。
- House at Pooh Corner ── 『くまのプーさん』の世界を、大人になることへの戸惑いと重ねたLogginsの初期代表曲。
- Your Mama Don’t Dance ── 二人の共作による快活なロックンロール。静かなフォーク系デュオだけではないことが分かる最大級のヒット曲。
- Angry Eyes ── 長い器楽部分を含むライヴ映えする曲。バンドの演奏力を確かめるなら外せない。
- A Love Song ── 短く簡潔なメロディに、二人の柔らかなハーモニーを凝縮した曲。
- Watching the River Run ── 流れる川を前にした静かな心情を歌う。派手さより、二人の声と曲の良さが残る。
最初に聴くアルバムはどれ?
- 二人の始まりと代表曲なら ── 『Sittin’ In』。Logginsの歌とMessinaの経験が初めて一つになった作品。
- 明るさと演奏のバランスなら ── 『Full Sail』。「My Music」「A Love Song」「Watching the River Run」を収録。
- アルバムをじっくり聴くなら ── 『Mother Lode』。大ヒット曲よりも、曲調とアレンジの幅を味わう一枚。
より直接的なヒット曲から入るなら、1972年の『Loggins and Messina』が分かりやすい。「Your Mama Don’t Dance」「Thinking of You」「Angry Eyes」がまとまっており、デュオの知名度を決定づけた。
Pocoから次の世代へ続く人脈
ロギンス&メッシーナは、Buffalo SpringfieldからPocoへ続いた人脈の次の章にあたる。MessinaはPocoを離れたあと、同じ音を繰り返すのではなく、Logginsという新しい書き手を中心に置いた。
その結果、カントリーロックの歯切れよい演奏は残しながら、ソフトロック、フォーク、ポップへ間口が広がった。Pocoから聴き進めると人脈が見え、AmericaやEaglesのアルバムと並べると、1970年代前半の西海岸で「歌とハーモニー」がどのように広がったかが見えてくる。
参考資料
メンバー
- Kenny Logginsボーカル、ギター、ソングライター1971–19761948年1月7日ワシントン州エバレット生まれ。「Danny's Song」「House at Pooh Corner」「A Love Song」などを作曲。解散後はソロへ進み、「Whenever I Call You Friend」「Footloose」などのヒットを残した。
- Jim Messinaボーカル、ギター、ベース、プロデューサー1971–19761947年12月5日カリフォルニア州メイウッド生まれ。Buffalo Springfield、Pocoを経て、Columbiaの独立プロデューサーとしてKenny Logginsを担当。その制作がデュオへ発展した。
変遷
- 1970 Jim Messinaが新人Kenny Logginsと出会い、デビュー作の準備を始める
- 1971 『Kenny Loggins with Jim Messina Sittin' In』を発表。好評を受けて正式なデュオへ
- 1972 『Loggins and Messina』発表。「Your Mama Don't Dance」がヒット
- 1973 『Full Sail』発表。「My Music」「Watching the River Run」を収録
- 1974 スタジオ作『Mother Lode』と2枚組ライヴ盤『On Stage』を発表
- 1976 『Native Sons』を最後のスタジオ作としてデュオを解消
- 2005 約29年ぶりに再結成ツアーを実施。ライヴ作品『Sittin' In Again』を発表
- 2009 再び北米ツアーを行う
Discography
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